村では今、叔母の家の片隅と言うか、この小屋に滞在している。この叔母は、夫の母親側の多分一番末っ子で、他の家族と比べると農業に家畜に割と成功している方。特にご主人の叔父がとにかく働き者で私は尊敬してる。娘の一人は結婚して向かいの家に住んでいるし、一番家も広いということで帰省した時にはいつもこの家にお世話になっていて、今回もしばらく居候させてもらうことに。
村暮らしも1週間を経過して、なんとなくこの時期の村人の1日がわかってきた。村人の朝はとても早く、5時前には起き始め、水を浴びて家の仕事を始めたり動き出す。それから農作業に出たり放牧が始まったり。
6時ごろに果物や野菜や肉などを売るお店屋さんがモーターで家の前までやってくるのでその日の食材を買ったりする。というのもこの村には商店のような小さな店はあるのだけど、店自体が圧倒的に少ないから店がこのように回ってくるらしい。朝からお買い物で村人が集まるので面白い。
それから昼に昼食を食べて夕方になり、気温が下がる前に水シャワーを浴びて夕食を食べる。ここは山奥なので朝晩の気温差が激しい。遅くなると寒くなるし、天候で気温が低い日の水シャワーは結構身体にくるのだけれど、なんといっても生きた心地をすごく実感する。
タイの家族は普通に夜浴びて朝早くにも浴びる。そもそも温水を浴びるという習慣がないからか、水を浴びるのはごく普通の事であるから寒いとかそういった感情すらそもそも持っていないのだろうか、なんて思ったり。
村には街頭が無くて、家も豆電のような小さな電気が数個、だから18時過ぎたらどんどん暗くなり、虫も増え始める。家に網戸なんて無く筒抜け状態なので、なるべく早く蚊帳に入る必要がある。
そして夜になるにつれて電波も3Gに落ちてだんだん遮断されまでは行かないけれど、弱くなるのでもう寝るしかないって感じで20時ごろには就寝。周りの家も、この家の家族もそのくらいには寝ていてとても静か。聞こえてくるのは虫の声と犬の遠吠えが時々で、良いBGMになっている。
一見とても健康的な暮らしではあるが、自分の都合よく生活出来ないし、環境に合わせた暮らしが優先となり、それを反したら生活の事故が起きてしまいそう。村人にとっては普通の1日にすぎないけれど、村暮らし初心者の私にとっては全てが新鮮で、今どうしてここにいるんだろうか?って不思議に思えて仕方がない。
日本で暮らして来た人生とはとても繋がらない暮らしをしているけれど、意外と悪くない村での暮らし。果たして村人の1日とは?そういった事1つ1つが興味をそそるからだと思う。